第44章

椅子から立ち上がったサン・ロット八世は、公爵の前を行ったり来たりしながら、抑えきれない興奮を顔に浮かべたまま、何度も「よし、よし」と繰り返した。公爵がこの資料を以前から手にしていながら、すぐに上奏しなかったことを咎める気配は欠片もない。むしろ、裏取りを重ねたであろう慎重さに満足していた。魔法研究の紙切れ一枚で、軽々しく信じられるほど彼は甘くない。

サン・ロット八世は、資料の出所を追及しなかった。公爵がそれを差し出した――その事実だけで、十分に意外だったのだ。こうした魔法の資料は、誰の手にあっても秘蔵すべき宝である。ロゲスト公爵なら、それを餌に人を集め、ロゲスト家の影響力を膨らませることもで...

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